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レイニィは幼い日から雨の降る日が好きだった。子供ながらの可愛さとはかけ離れていた。どうして私は雨が好きなんだろう。外で遊ばないで済むから。心が落ち着くから。そのとき、答えに辿り着くことは出来なかった。だから、私は探しました。
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その濡れた心は、ある種の才能であると士官学校への進学を勧められたレイニィ。迷いながらも、理解することの出来ない幼い日からの感情と向き合う為に、名前を捨てる道を選択した。そして、私の居場所は生まれたのでした。私は、私と出会う為に。
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少し、横にそれますね。話し始めたのは水を司る友人たちの思い出。私を遊びに誘ってくれるときは決まって雨が降りました。自嘲交じりの告白は自分が雨女だということ。だけど、私が本当に伝えたいのは、それでもそばにいてくれた友への感謝です。
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雨に関する天候術の講義で伝えられた大切なこと。心の雨を受け入れると、頬を伝う涙を見失ってしまうんです。そして、どんどん自分がわからなくなる。悲しい、その感情を忘れてはいけない、わかっているはずなのに忘れてしまうことがあるんです。
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私は聖戦で沢山の涙雨に打たれました。そして、ようやく辿りつけました。雨がもたらす安らぎ。私は温かさを感じていたんです。そして、降り続ける雨のなかで笑顔を見つけることが出来ました。だから、私は真雨精将として胸を張らせてもらいます。