-
ちゃんと説明してもらえるかしら。コスモはそこにいなかったはずの登場人物を睨んでいた。その説明なら、もう必要ありません。デオンが咄嗟に構えた刃。だって、今から刈られるのですから。そして、ベオウルフは六人の画伯を残し消えたのだった。
-
デオンの前に立ち塞がったレオナルド。この筆の前では、未来は意味をなさない。レオナルドが左へ払えば左を向く。右へ払えば右を向く。身動きのとれないデオン。だけど、あなたが縛っているのは過去の僕に過ぎません。神の力を過信し過ぎるな。
-
直後、レオナルドの首筋に突きつけられた対の短刀。我らが王の秘密機関をあなどらない方がいい。あなた達は神へと屈した。だが、僕らの王は、神へと反旗を翻した勇敢な王様なんだ。デオンが仕える王は、立場が変われど、ヴラドただ一人だった。
-
こんにちは、先輩。シュレディンガーへ向け、陽気にお辞儀をしてみせたマルク。僕が探した過去に先輩はいたよ。だけどね、僕の描く未来に、先輩は必要ないんだ。そう、もう先輩は過去の登場人物なんだよ。だから、早く退場してもらえないかな。
-
シュレディンガーの戦意は失われていた。自分がなぜここにいるのか、自分がなにをすべきなのか、そのすべてが抜け落ちていたのだった。ほらほら、先輩。もっともっと、いたぶってあげるからね。そんな二人の間に割って入ったのはサフェスだった。