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よっし、ここにも設置完了だぴょん。慌しく常界を駆け回っていたのは助手兎を連れて天界を離れたカルネアデスだった。助手君、助手君、次はどこへ行ったらいいぴょん。子供の落書きのような地図を辿り、二羽はぴょんぴょん行脚を続けるのだった。
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ここで最後ぴょん。二羽のウサギが地図に記されたバツ印に辿り着いたとき、もう一羽のウサギもその場所へ辿り着いていた。こそこそ隠れて、なにしてるのかしら。杵を振り上げたコスモ。常界でもまた、妖精と魔物が争いを始めたのだった。
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黒い兎と白い兎、互いに生まれた世界とは異なる世界の為に戦う二羽。ウサギは幸せの象徴なんだぴょん。それなら私は、その裏側の不幸を届けてあげるわ。表裏一体の世界と戦い。だけど、いまこの戦いは僕に預からせてもらえないかな。
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二羽のウサギの戦いを制止したのはデオンだった。王の秘密機関が、こんな場所でいったいなんの用かしら。取引をさせてもらいたい。それは王の為であり、王ではない男から与えられた任務。きっと、君たちは彼を必要としているんじゃないかな。
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デオンの呼び声と共に現れたのは、口を布で覆った男だった。久しぶりだな。カルネアデスへ、懐かしい声をかけたサフェス。かつて互いに教団にいた者同士。そして、そんなサフェスが連れていたのはもう一人の懐かしい男、シュレディンガーだった。