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悪い、助かるよ。ワシはただ、ワシの休暇の為に戦うだけじゃ、勘違いすな。変わる風向き。で、ワシに斬られたい奴から頭を差し出せ。だが、次の瞬間。ぐぬっ。なんだ、大したことないね。悲鳴を上げたのは研がれた爪に裂かれたイッテツだった。
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おい、大丈夫か。慌てて駆け寄るヒスイ。油断しただけじゃ。明らかに運動不足だった。何人集まろうと、私たちに勝てないんだよ。おどけてみせるシャルラ。それならさ、この数を相手に出来るのか。直後、無数の魔物魂が辺りを埋め尽くしていた。
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よぉ、覚えてるか。リイナの挨拶。それはかつての上司の友へ、そして、かつての好敵手へ、ふた通りの意味をはらんでいた。心強いよ。ヒスイが取り戻した活気。知らん。そっぽを向いたイッテツ。おい、それじゃかつての鬼精将の異名も泣いてるぜ。
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そんな名前、聞いたことない。さらにそっぽを向いたイッテツ。まぁ、いいさ。リイナが引き連れた魔物魂がふたりの体を包みこむ。不思議と癒える傷。薬学部特性回復薬、高くつくぜ。だけど、どうして。それは戦争最中のリイナに向けられていた。