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ジャンヌと共に神界へ通じる塔へと向かっていたアカネ、アオト、ミドリ、ギンジ。遅れて駆けつけたヒカリとユカリ。さらに遅れて駆けつけたのは悲しい知らせ。感情を押し殺したヒカリとユカリ。それでも私たちは、立ち止まるわけにはいかない。
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そう、アカネたちには悲しむ暇すら与えられなかった。少しでも早く、この戦いを終わらせる。それが6人が抱いた共通のひとつの願い。そして、そんなアカネたちが塔に辿り着いたとき、入口にはひとりの男が待っていたのだった。よぉ、こんにちは。
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なにしに来たの。眉間に皺を寄せたジャンヌ。そう、待っていた男の正体は六聖人のひとり、ニコラスだった。おいおい、そんなに怖い顔しないでくれよ。おどけてみせるニコラス。オマエたちは、この塔を上るつもりなんだろう。だったら、話は早い。
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歩きながらで構わない、俺の話を聞いてくれないか。そして、ニコラスの隣には一匹の獣がいた。よーし、よし、俺たちをアイツのところへ案内してくれるか。思い出を辿れば、アイツに辿りつける。そう、ニコラスのすぐ隣にいたのはタマだった。
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ニコラスを警戒しながらも、タマを先頭に塔を上り始めたアカネたち。語り始めたニコラス。昔々、あるところに妖精の王様がいました。その王様は悪い神様に殺されました。そして、その妖精の王様は聖人として生きる使命を与えられたのでした。