ただ、ひたすらかき回す。そう、無音の部屋に響くのはドリルの唸り声。ふん、この程度なら、私のライブラリを閲覧すれば簡単だろう。だが、いったいどこでなにを間違えたらこうなるのだろうか。イージスを止める者は誰もいない。さぞ美味しいに決まってる。そして出来上がったのは、象ほどのチョコレートだった。
ジャンヌに休日などない。だが、それでも彼女は時間を見つけ、変装をし、巷で噂のショコラティエへと足を運んでいた。まぁ、こんだけ買っときゃ十分でしょ。選んだのは適度な値段、適度なデザインのチョコ。だけど、アイツにだけはちょっと良いのをやるか。ひとつだけ違うチョコレートは彼女を慕い続ける使徒へ。
聖人という生き物でありながらも、やはりシオンは年頃の女の子だった。チョコレートを作ります。使徒と一緒に過ごすバレンタイン前夜。同僚へ渡すチョコレート、家族へ渡すチョコレート、次々に出来上がる沢山のチョコレート。きっと、喜んでもらえるよね。いまの私は、週刊美少女コミックのヒロインなんだから。
サンタクローズの元に届いた沢山のチョコレート。だが、そこにはひとつだけおかしなチョコレートが届いていた。添えられていた仮面とメッセージ。キミの大嫌いなボクより。中身は塩チョコレート。あの野郎、ふざけやがって。すぐさま踏みつけられる贈り物。今度は、俺が誰よりも甘い塩を送り返してやるからな。
パブロフぼんは聖暦の天才のひとりで炎才と呼ばれているぼん。実はある少年の父親で、研究の事故で死んじゃったというのは嘘だったんだぼん。いろいろあって再会した息子とは戦うこともあったけど、それでも息子を想っているぼん。大好きな煙草は、子供が出来てからは一日一箱完全分煙と決めていたらしいぼーん。
シュレディンガーぼんは聖暦の天才のひとりで水才と呼ばれているぼん。マスクには色々な想いが込められているぼん。マスクしてるくせに流暢に喋ることが出来るぼん。でも、面倒くさい同僚から話しかけられないように、喋れない設定にしているぼん。こんな男に絡む面倒くさい同僚なんてひとりしかいないぴょーん。
ラプラスぼんは聖暦の天才のひとりで風才と呼ばれているぼん。もともとは天界に住んでいたんだけど、理不尽な難癖を付けられて追放されたんだぼん。いきなりひとりぼっちになったぼん。いまでも怨んでるぼん。でも、いろいろなところで元友達と出会ったりしてるぼん。でも結局いつもひとりの道を選んでるぼーん。
カルネアデスぼんは聖暦の天才のひとりで光才と呼ばれているんだぴょ……ぼん。能天気にみえるけど、ちゃんと世界の幸せのことを考えて働いているんだぼん。伊達に片目じゃないぼん。このぼんを見ていると、ぴょんと言いたくなるけど、なぜだぼん。ぴょんの呪いぼん。ぴょんの呪いには気をつけるぴょ……ぼん。
ヘンペルぼんは聖暦の天才のひとりで闇才と呼ばれているぼん。天界で恋する乙女に告白したら玉砕したらしいぼん。失恋に心が痛んで心臓を失くしちゃったんだぼん。天才だけど、ちょっと頭が悪いぼん。その後の調べによると、運命の告白は意中の彼女が入浴中というタイミングの悪さが失敗の要因っぽいんだぼーん。
メビウスぼんは聖暦の天才のひとりで無才と呼ばれているぼん。天才、天才って周りから喜ばれていたんだけど、少し悪いことが起きると一転して疫病神呼ばわりされたぼん。そんな周りの声が苦しくて、両耳を封じたんだぼん。それでも一生懸命、世界のために機械いじりを続けてるぼん、とても健気な子なんだぼーん。
一年に一度の特別な日、それはクリスマスだけではない。訪れたバレンタインデー。だが、そこにいたのはサンタクローズだった。ふふ、ちょっとだけ遊びたくなったんだよね。すべては退屈をもてあました神様による悪戯。メリーバレンタインデー。
私は誓ったんです、本当のあの人をもう一度好きになる、って。それは乙女の祈り。だから、私は決めました。絶対にあの人を処刑させたりしない。本当のあの人を見つけるまで、あの人のことを守り抜きます。例え、この世界を敵に回したとしても。
私は初めから決めていたわよ。ヒルダはいつも通り、口を尖らせていた。だって、処刑なんてされちゃったら、あいつのこと殴ることが出来なくなっちゃうじゃない。そう、だからこれが私の決めた道。破られた世界評議会の職員証は、そっと風へ。