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ヒカリを優しく抱きかかえたミドリ。どうにか出来ないんでしょうか。そんな言葉を口にしたミドリはわかっていた。たとえ、自分たちがその決断を下さなかったとしても、彼は自らこの決断をしてしまうと。やっぱり、こんな最後なんて、私は嫌です。
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訪れた沈黙。交錯するそれぞれの想いと彼の想い。ひいては、生きとし生ける命すべての想い。そんな沈黙を壊したのはイージス。どうか、彼を救ってあげることは出来ませんでしょうか。そう、彼女が救いを求めた先。そこに神才マクスウェルがいた。
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あるよ、ひとつだけ方法が。かすかに生まれた希望。もしそれを、彼が望んだら、だけど。そう、選んだ不確かなイマの世界に「完全」などという言葉は存在しない。やっぱり、最後は彼に委ねるしかないんだ。だから、彼の好きにさせてあげなよ。
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これが、僕たちの選んだイマなんだね。そう、わかっていた。イマの世界でも、決して止まることのない涙。僕たちは選んだんだ。そして、僕たちに選ばせてくれたのも彼なんだ。だから、僕たちに出来ることはひとつだけ。初めから、そうだったんだ。
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俺はわからない。なにが正しいのか、なにが悪いのか。だけど、きっとそういうものなんだと思う。俺たちはこれからも、迷いながら、悩みながら生きていく。そうする以外、道はない。それが俺たちの選んだイマなんだから。あぁ、最後を見届けよう。