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相手を失ったリリンの見つめた先にいたのはヒカリとユカリ。ふたりはすかさず臨戦態勢へ。だが、そんなふたりの隣、リリンへと伸びたふたつの影。うちの女王様たちに、手出ししないでもらえねぇか。あぁ、俺の娘たちには指一本触れさせやしない。
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一つ目の影、ヴラド。あなたはもう、まともに戦える体じゃない。止めようとするユカリ。みんなが血を流してんのに、戦わない王がどこにいるんだ。ヴラドはそう答えた。それに、戦うのに必要なのは体じゃねぇ、必要なのは覚悟だ。……なぁ、親友。
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そう、だから俺たちはここにいる。二つ目の影、オベロン。ヒカリは知っていた。もし、綴られしオベロンの命が果てたとき、なにが起こるかを。駄目だよ、戦ったりしたら。そんなヒカリへオベロンが返した言葉。約束するよ、俺は死んだりしない。
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だからオレたちを信じて、オマエらは先へ進め。促したヴラド。うなずくオベロン。勝手に死んだら許さないわ。約束破ったら許さないよ。そして、ふたりの女王はその場を後にした。嘘が下手だな、オマエは。大丈夫さ、俺の呪いはもう、彼女らに―。
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ねぇー、僕のこと忘れてない? リリンの隣、現れた水聖人ヨハン。なんか厄介なのが出てきたな。ヴラドがついた溜息。ってことで、アイツはオマエらに任せるか。問いかけた先の更なるふたつの人影。あぁ、任せとけ。ようやく、ワシの出番か。