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まだまだ、こんなもんじゃないよ。オリナが振り回す二対の棍。私だって負けないんだから。ミドリが振り回す大きな棍。ふたりは戦いの中にいた。楽しそうにも見え、辛そうにも見える。ふたりとも、互いの感情を戦うことで上書きしていたのだった。
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ミドリは葛藤していた。アーサーが世界の敵であること。そして、アーサーがミドリの大切な人たちの大切を壊している事実。私だって、アーサーさんを処刑したいわけじゃない。だけど、私たちが止めなきゃ、他に誰がアーサーさんを止められるの。
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その言葉が聞けて安心したよ。だが、オリナは知っていた。アーサーのすぐ側で活動してきたからこそ、アーサーの処刑に意味があるということを。だからこそ、アーサーを渡したくはなかった。最後の力を振り絞ってでも、決して渡したくはなかった。