かつて、世界評議会には聖暦の天才と呼ばれる六人の天才が所属していた。そして、新生された世界評議会には、聖暦の画伯と呼ばれる六人の天才が所属していた。レオナルドは筆型ドライバ【ヴェロッキオ】を無我夢中に振るう。それは世界の為か、それとも自分の為か。描かれた絵、その力に全てが込められていた。
隔離された刻の空間。その空間には現在、過去、未来、そのすべてが混在していた。それは即ち、世界の理から外れた空間。誰にも気づかれることのない戦い。いいさ、私は誰に観測されなくとも。そう、クロノスは自らの役割を嘆きはしなかった。
そして、聖巫女ユルルは続けた。それが扉の形をしているのか、それとも人の形をしているのか、そもそも形をなしているのか、そのすべてをあなたは知らないでしょう。もし、すべてを知ってしまったら、あなたは帰ることが出来ないかもしれない。それでも、聖なる扉のすべてを知りたいというのでしょうか。
もし、綴られた存在が、創られた存在が無に帰されたとしたら、その子が生まれたという事実も無に帰されるであろう。それでも君は、その選択をするのかね。旅を続ける絶無の少年に突きつけられる真実。だとしても、そうならない方法を探すだけさ。筆型ドライバ【ハヅキ】を手に、ススキは少年の覚悟を受け止めた。
常界の夜空を舞うもう一匹の蝶、暴光精トニング。行われるパレード。まるで自分が明かりを灯すかのように、放たれる光線。その光の先に沸き起こる悲鳴。美しい景色をありがとう。悲鳴とは反対に、喜びを声にした終教祖。さぁ、夜が訪れるよ。深い深い夜が訪れる、今度こそ、本当の落日を。そして、夜明けを。
もうすぐだよ、もうすぐ彼がここに来る。そう語りかけたのは水波神。堕水才シュレディンガーは、蒼き兄弟が再会する、その時を心待ちにしていた。あの日に溺れた初恋、彷徨い続ける狂気の海、二つに割れた恋が一つに重なり合う時、沈む先は空か海か。そして、溺れ続けた初恋に、最後の答えを出そうとしていた。
勝手についてきちゃ駄目だよ。そう言いながらも優しく頭を撫でる悪戯な神。だが、言葉を発することのないタマの視線は常に一人の男へと向けられていた。君たちは、似たもの同士なのかもしれない。言葉を発しないもう一人の男。彼のことが気になるのかな。なぜ少女が彼を気にかけるのか、全ては思い出の中だった。
次第に明るみになるのは「黄昏の審判」の真実。混乱が増し始めた統合世界<ユナイティリア>を制止する者達の訪れ。冷静さを欠如したこの世界ではもう、敵も味方も関係なく、ただ、各々が信じる道を、ただひたすらに進むしかなくなっていた。
いいんだ、仕事なんて来なくなって。サニィはそれでも毎日刀を振るい続けていた。