知り合いから聞いた噂。魔界から来るという正体不明の生物、そんな生物達には常界に溜り場があるという。カラフルに蠢くその生物達は見ていて気持ちのよいものではないが、その場所も例外ではなく、進化の祝福を受けることができるだろう。
すべての駒が揃った。だけど、それをあなたは壊した。それは堕魔王の復活だった。ねぇ、どうしてかしら。どうして彼はあなた達と一緒にいるの。だから、私が正してあげるのよ。あの日の彼は王様だった。だから私は、あの日の続きを始めるの。
気付いてんだろ。ライルは問いかける。あぁ、全部な。北魔王の口から語られる、教団の今。だから俺は、守るんだよ、あいつが帰って来られるように。だったら、迎えに行けっての。そして、そんな戦いを一匹の竜が引き裂いた。ねぇ、僕も混ぜてよ。
割れた盾に割れた頭、それでも挫けずに立ち上がったのは、一度死を迎え、そして生き返ったデッドクッキャー。全ては自らのマスター、収獲魔の為に。常界を勇ましく歩くその割れた姿はまさに漢。本当のハロウィンを、収獲魔が望むハロウィンを始める為に、死した戦士はその身が割れようとも、盾になり続ける。
世界の終わりというのは、いつも悲しいものだ。無表情のまま、似合わない言葉を口にした創醒の聖者。君はいま、どちらを見つめている。アーサーのほうを向くことなく、問いかけたのも創醒の聖者だった。俺が見たい景色は、昔もイマも変わらない。
被災地で業務をこなす三人。そういや、聞いたことあるか。無救員ジョルダーノが口にした常界各所の被災地に現れるという謎の人物達の話。報告書には記載出来ない危ない連中らしいんだが。そんなとき、崩れ始める瓦礫の山。だが、そんな瓦礫は、無数の銃声と共に粉砕された。まさか、それがあんたらだってのか。
風とは何か。時に風は冷たく、微かな命の灯火を吹き消してしまう。時に風は暖かく、木々が産んだ新たな生命を運んでいく。そんな風に興味を持った少女によって創り出されたガル。兵器でありながら、その機体は戦場ではなく、高い雲の上へ姿を消した。風に吹かれた生と死が、ゆらり揺れる世界を見下ろしながら。
それでこそ俺の弟子だ。偽の一文字を背負ったナキリは愛弟子を褒め称えた。違う、私は誠を背負うんです。だが、その想いは虚しくも散る。立ち上がることの出来ないムミョウガタナ。太刀筋が語ってるぜ、俺と戦い、そして越えてみたかったってさ。
ヴラドが口にした避難勧告。それがなにを意味しているのか、ファティマは瞬時に理解した。直後、背中越しに感じたのは憎悪の力。それがいまの、オマエなんだな。現れたのは、現魔界の王、堕精王オベロン。こうして、ふたりの王は再会を果たした。