この翼は、空を飛ぶ為ではなく、皆を運ぶ為に使おう。そう、百獣の王は既に、欲しかった輝きは手に入れていた。後はこのまま、ずっとみんなと一緒に暮らせればそれでいい。その為にも、戦う。そう、守りたいものは、人それぞれに、存在していた。
廻る廻る、観覧車。廻る廻る、回転木馬。灯りの消えた遊園地、深夜に鳴り響くは筆の音。ボームは無我夢中に書き綴っていた。お疲れさま。でもまだ、この物語は終わらないよ。置いた筆、鳴らすは口笛。そして踊り出すキャスト、煌き出す景色。電飾に彩られた遊園地は、招待客への深夜営業が始まろうとしていた。
全ては計算通りだった。炎才は息子ですらも利用した。進化を遂げた【エルプション:ホムラ】の前に崩れ落ちるひとりの少年。男だったら、必ずやり返しに来いよ。炎才は、再会の言葉と、茜色のピアスを1つだけ残し、姿を消した。それが、少年の空いていた右耳を飾り、そして、再び立ち上がる力になると信じて。
評議会により、立ち入り禁止区域に指定されていた塔の跡地へと足を踏み入れたふたり。やっぱり、来てくれたんだね。その言葉はふたりのものではなかった。お前にだけは、会いたくなかったんだがな。そう答えたのは、ギルガメッシュだった。
名前が引き継がれた創竜衆の公開演習、フルトはその演習を祝うためにフルートを響かせていた。
聖なる扉が壊れれば、世界は扉が現れる前の状態に戻るだろう。だが、それはイマを否定するのと等しい行為。扉によりもたらされた沢山の悲劇。だが、それでももたらされた沢山の喜び。幾億の命のすべてを肯定するために、少年少女たちがすべきこと。さぁ、聖なる扉は開かれた。進もう、すべてを肯定するために。
卒業式の縁起にと、卒業シーズンになるとソツギョウポックルンは大忙しである。
天界と魔界、そして竜界に起きた災害を収めたのはあなただったのね。意識を失ったゼクスの隣にいた女へと、隊服を脱ぎ捨てたかつての仲間へと向けられた銃槍。あなたに、あの人の代理は務まらない。投げ返す殺意。戻って来なさいとは言わないわ。眼鏡越しに返す真意。私達は今も信じている。必ず、帰ってくると。
幸せを求めた光才は、新たな刑罰を提唱した。人に悪意を忘れさせるには、罰を与えることではなく、幸せを与えることである、と。幸福刑が施行された第七監獄は、ただ幸せに満ちていた。それが、カルネアデスが右目に映したかった世界。そして、進化を遂げた【ピソ・オプタルモス】は、その裏側を見つめていた。