まどろみの淵、そこにはパブロフと子供がいた。俺は俺の人生を生きた。あぁ、知ってる。だが、最後に言わせて欲しい。聞きたくない。子供はわかっていた。その言葉がなんなのか。俺の父さんは世界で一番格好いいんだ。だから、そんな言葉は聞きたくない。それでこそ、俺の自慢の息子だ。それじゃあ、行ってこい。
最後にまた会うことが出来て嬉しいよ。水溜りに手を伸ばしたロジン。映りこんでいたのは双子の顔。いつまでも、いつまでも見守っているよ。君たちがいたから、君たちがいる。そんなふたりを独り占めしてる、いまの私は幸せ者だね。だけど、私はもう行かなくちゃ。力いっぱいの笑顔。それじゃ、行ってらっしゃい。
私とあの人は同じ筆先から生まれた。あなたは、そんなあの人から生まれた。そして、ティターニアはいつかの言葉を否定する。あなたは「私の愛した人の娘」ではありません。あなたを「私の愛する娘」と呼ばせてください。子供の頬を伝う涙。子の旅立ちは、親にとって嬉しいことです。だから、行ってらっしゃい。
そこにはお揃いのストールがあった。暑すぎた日差しを遮る紫。冷たすぎた風を遮る紫。そして生まれた心地良いふたりだけの空間。もう、いいんだよ。私は後悔してないよ。ヴァルプルギスの声。それでも、ユカリは行くんだよね。小さな体が抱きしめたのはひと回り大きな体。ずっとだいすきだよ、行ってらっしゃい。
父は幼き息子を残し姿を消した。父は父の道を進んだ。そこに後悔はあっただろう。だが、そんな父を唯一肯定してあげられるのは他ならぬ息子ただひとりだった。決して過去を否定せず、イマを肯定し、未来を信じる。それが炎の親子の形だった。
これはお守りよ。まだ言葉すら話すことの出来ない幼子に渡されたドライバ。いつかきっと、導いてくれるから。託した願い。そして、その願いは呪いでもあった。そして、幼子は常界のとある夫婦へ。あなたが歩む道に、沢山の幸せがありますように。
ひとりは永遠に子供だった。ひとりは永遠に子供のままではいられなかった。止まった刻と、止まらない刻。だが、ふたりが過ごした刻は永遠だった。だからね、私には嬉しいこともあるんだ。だってユカリのこと、永遠にだいすきでいられるんだもん。
僕は君で、君は僕。そこにいたのは幼き日にすれ違った双子。そして、そんな双子を再び結びつけたひとりの少女。傘に三人は入れない。だから私はずっとひとりでいいの。だって、最高の現世だったんだから。それにほら、もう、傘は必要ないんだよ。
常界への帰還を果たしたアカネたちを待っていたのは、瓦礫の山へと果てた光景だった。そして、そんなアカネたちに歩み寄るレディ。すでに各地で戦いは始まっています。そう、イマの統合世界の存亡をかけた戦い。だけど、私たちはひとりじゃない。
私の剣が、少しでも力になれば。レディと共にいた誠を背負いしムミョウガタナ。そしてアイスブランド。俺は君たちの力を知っている。だから、ここは俺たちに任せて欲しい。それとね、君たちの力になれるのは、決して俺たちだけじゃないんだから。
そして、優しくアカネたちを迎え入れたヤシロ。そんなアカネたちを襲う六つの力。あまりのんびりしている時間はないようですね。それでは、行きましょうか。きっと大丈夫、ここには彼らもいるんですから。さぁ、神々を冒涜するお時間です。
現れた六つの力、その力のひとつであるフェルノ。俺たちは決して強くない、だけどな、俺たちにだって意地があるんだ。立ち向かうアイン。俺たちは変われた。そしてフェルノへ突き出す拳。だから、オマエらも現実から逃げ出してんじゃねぇよ。
シュトロムと対峙したツヴァイ。すべてを洗い流すことなんて出来ない。僕は僕を受け入れた。そして、始まったんだ。そんな世界を、君たちに壊させるわけにはいかない。いっぱい、あるんだ。行きたい場所、話したいこと。だから、君は僕が止める。
私たちはひとりじゃない。ナンバーズの仲間と共に立ち向かうドライ。対峙するのはクロン。そんな偽りの風は、私には通じない。だって、私はもっと強い風の力を知ってる。だから、あなたなんかに負けたりはしない。かかってきなさい、私が相手よ。
フィアにはわかっていた。対峙したトニングが捨てられることを。だから、私はあなたを放っておくことは出来ない。それは、一度は捨てられたフィアだから。そして、もう一度立ち上がることの出来たフィアだからこその想いだった。全力で止めます。
クホールが生み出した闇の中、立っていたのはフュンフだった。あなたの心は泣いてる。そして、夜へと逃げ込んだのね。だからってさ、みんなを巻き込むのは間違ってるよ。そんなの子供のすること。夜の果てには光が差す。それを私が教えてあげる。
ダストと対峙したゼクス。あぁ、俺は世界のゴミだった。だけどな、そんなゴミにも居場所はあったんだ。でもな、俺はあんたみたいなゴミは嫌いだ。現実から逃げてんなよ。ゴミでも、ゴミらしく、輝いてみせろって。まだ、間に合うんだからさ。
へぇ、案外踏ん張ってんじゃん。雷鳴と共に常界に現れたイヴァン。だけど、滑稽だね、下等な生き物が必死になってんのは。指先を天に掲げるだけで、雷鳴が轟く。ほら、誰もアタシの指先ひとつに敵いやしないのにさ。ほーらほら、抵抗しなさい。