それは、殺されることのなかった旧教祖に対する言及。私はまだ、納得いってないんだよね。運び出された鞘と、殺されなかった旧教祖。もし、その仮説が正しかったとしても、それは意味のないことだから。やっぱり、まだなにか残されていると思う。
聖戦を終え、氷刑者が帰ってきた家。彼の口からただいまの言葉はない。だが、それでも笑顔で出迎えたのは燃恋乙女エキドナ。愛してる、だなんて言葉はいらない。私のことを愛してくれなくてもいい。ただ、私は側にいたいからいる。それが彼女の決めた生き方。ふたりの関係は、言葉で言い表すことは出来なかった。
そっか、彼女は頑張ってくれたんだね。萌森乙女アルラウネは聖戦でぶつかり合った風の戦いを翠妖精へと報告していた。それじゃあ、私も償わなきゃいけないね。都合の良い犠牲により、引き裂かれた友情。そして、後悔し続けていた翠妖精。これからは、私に協力してもらえるかな。未来の為に、過去は清算しなきゃ。
やっぱり、あなたって悪い女ね。妖精でありながら、真妖隊に属することとなった極悪乙女サキュバス。なんの話かな、私がここにいるのは隊長さんが気になるからなのに。同性へと向けられた興味。それは、真妖隊の将が、同性である実姉への愛をつらぬいていたからだった。女性を愛するその気持ちを知りたいだけよ。
ふわふわ。浮霊乙女ゴーストは目を覚ますと浮かんでいた。彼女は自分がいままでどこにいたのか、なにをしていたのか。その記憶は定かではない。が、そのことを大して気にしていなかった。そんな彼女が気にしていたのは、極東国の枯れない桜の木の下、誠の文字を背負いし、頭に尻尾を生やした男のことだった。
晴れ空の下で行われた授業。語られたのはサニィの幼い日の話。照りつける太陽の下で、元気いっぱいで遊んでいた時代。きっと、あの頃の私がいまの私を形成しているんだと思います。だから、家で勉強ばかりしてないで、お外で遊ぶことも大切です。
心が晴れたからといって、それは決して正しいことではない。サニィが否定したのは自分自身。曇りや雨があるからこそ、晴れを嬉しく思うんです。それが人間の感情だと云う。彼ら、彼女らは、私たちとはまた別の価値観で生きているんです。