ふぁあ、よく寝た。解放されてしまったオベロン。彼は綴られた存在でありながら、神になるという禁忌を犯した妖精であり、そして世界を敵に回した。おはよう、元気だったかい。目覚めた彼の前、一人の仮面の男は現れた。今ね、世界がとても、大変なんだよ。そして返す答え。世界なんざ、生まれた時から俺の敵だ。
久しぶりの再会に嫌悪を示す堕精王オベロン。目障りだ、消えてくれ。それは仮面の男に連れられたもう一人の男に向けられた言葉。綴られた存在に子供が存在していたとしたら、その子供に前世が存在しないということは、ごく当たり前の事実だった。悪いが、俺は好きにやらせてもらう。開いた掌に咲いた花は散った。