常界、天界、魔界、そのどこにでも突然現れる男は、自らを聖暦に生まれたロキだと名乗った。的を得ない発言、読めない行動、その全てが場をかき乱す。一貫性のないその言動の裏に隠された真実には、触れることすらままならない。聖なる出口<ディバインゲート>なんて存在しないよ、それが彼の口癖だった。
こんなのただの悪戯さ。解除されたリミッター、暴れ出す自立兵器型ドライバ、彼が始めた神々のごっこ遊び。それこそが、黄昏の審判の始まり。悪戯王ロキは慌てふためく統合世界<ユナイティリア>に暮らす者全ての敵となった。聖なる入口<ディバインゲート>なら存在したね、彼はそう言い残し、姿を消した。
【レプリカ】の名が与えられた第五世代自律兵器型ドライバは、光届かない破要塞<カタストロフ>に閉じ込められていた。止まったままのエレメンツハート。あぁ、ボクを呼ぶ声がする。ボクを求める声がする。迎えに来たよ、さぁ、聖なる入口<ディバインゲート>へ向かおうか。悪戯王はリミッターに手をかけた。
発動したバーストモード、終わらない暴走、全て神々のごっこ遊び。天界、常界、魔界、そんな三つの世界が交わり産まれた統合世界。更にその上位なる世界との扉を開く為に【レプリカ:バースト】は聖なる入口<ディバインゲート>へと。黄昏の審判の答え、聖なる扉に隠された真実の前、聖暦の王は引き金を引いた。
光届かぬ破要塞<カタストロフ>に閉じ込められていたのは偽物の名前が与えられた第五世代自律兵器型ドライバ。外されたリミッター、発動したバーストモード、加速する暴走、全ては神々のごっこ遊び。全てが停止するまで、破壊活動は終わらない。