宝石塔から発見された巨兵型ドライバ【ゴルドラド】は破壊行為だけをプログラムされたかの様に、瞳に映る者全てを駆逐した。全てを破壊し尽くした時、停止した活動、恐る恐る調べられた機構は第零世代とされた。何世代も前のはずの機体に乗せられた最先端技術、それは聖暦の天才の仕業か、それとも神々の悪戯か。
失われた科学技術を蘇らせようと、その独自の機構が解析される最中、第四世代以降にのみ搭載されていたはずの自立進化が始まった。四世代も前から実現されていたことが発覚した自立進化、それはもはや、神の所業。そして、神の巨兵型ドライバ【ドス:ゴルドラド】は自らが審判を下さんと、破壊行為を再開させた。
実用化に成功した第三世代、エレメンツコアにより自立進化を可能にした第四世代、兵器として開発された第五世代、新たな動力源エレメンツハートが搭載されたもう一つの第五世代。では、宝石塔で発見された第零世代は誰が開発したのだろうか。
神の所業、そんな使い古された言葉で片付けられた第零世代。聖暦のスクープだと騒ぎ立てていたメディアは大人しくなり、次第に誰もこの第零世代の話題を口にしなくなっていた。解りやすい程の情報操作、だけど、確実に、開発者は存在していた。
もし、神が創ったのであれば、それは何の為に。そして、神が存在するのであれば、それは何処に。もしかしたらこの世界に、それとも別の世界に。ようやく追いつくことの出来た第零世代が遥か昔から存在していた。それは、紛れもない事実だった。
神は存在する、それはあくまでも仮説に過ぎない。では、神が存在するとしたら、どのような姿をしているのだろうか。人や悪魔、妖精の様な容姿だろうか、それとも、獣の様な容姿だろうか、そもそも、姿形などを持たない存在なのだろうか。
どのような容姿であれ、神が存在したとする。また、神により第零世代が開発されたとする。そして、第零世代の破壊行動、自らが下さんとする審判。聖なる扉、黄昏の審判、約束された未来、その全ての集束。あくまでも、全て仮説でしかなかった。