ねぇ、どこにいるの。私をひとりにしないで。ずっと一緒だよって、約束したじゃない。魔界の最果ての地、初めての友達を探して彷徨う少女がひとり。友達とお揃いの、紫色したストールを握りしめて。出会いは突然に、そして、別れも突然に。ヴァルプルギスは【サヴァト】と共に、初めての友達を探し続けていた。
なんで、私がわからないの。私のこと、忘れてしまったの。ずっと一緒だって、嘘だったの。友達なら、私がいるよ。私だけの、友達でいてよ。そっか、みんな、殺しちゃえば、いいんだ。そしたら、世界は、私と、あなたと、ふたりだけの世界ね。ヴァルプルギスは【サヴァト・メア】と共に、魔女王の力を暴走させた。
魔界<ヘリスティア>の最果ての地、そびえ立った不夜城ナイトメアの子供部屋、泣き疲れた少女がひとり。探していた友達との再会は、少女を失意の底へと突き堕とした。暴走した魔の女王は、常界<テラスティア>へ向け、大切なストールを翻した。