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神界に模されて創られていた理想郷アヴァロン。その最奥の玉座にひとり腰をかけていた聖神アーサー。彼は終わる世界を見ながら、なにを考えているのだろうか。なにを想っているのだろうか。彼の心を知るのは彼ひとり。そして、最後の幕は上がる。
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思い返せば、それは短い道のりだった。そして、長い道のりだった。始まりは雪降る聖なる夜。ふたりの優しさが生んだ親友との出会い。そして、その出会いが決定付けた彼の生きる道。選ばれた王道。王たるものは民に弱さを見せることは出来ない。
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やがて王は闇へと堕ちた。堕ちようとも、王が見つめていた希望。その希望がもたらしたのは神への道。そう、神たるものは王に弱さを見せることは出来ない。だから俺は決して立ち止まることは出来ないんだ。それが、神という存在なのだから。
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神は王へ、民へ恵みを与えると同時に、必ず試練を与える。それが正しいのか、間違っているのか。議論の余地はない。それが神の存在意義なのだから。イマの世界へ与える試練。そして、代わりに与えられる恵みは生まれ変わる世界。それが世界の理。
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神話の時代から、世界は常に崩壊と再生を繰り返していた。そこに疑問を抱く神々は少なかった。そう、今回の世界が生まれ、イマのために戦う者たちが現れるまでは。だが、なぜ今回の世界はその輪廻の歯車から外れようとしているのだろうか。