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憎悪を取り込んだ扉の君。ダンテの合図を待たずして飛び掛ったフォルテ。だが、いくらフォルテが実力者であれ、いまの扉の君は人間が敵うような相手ではなかった。だからこそ、フォルテが語りだした自分のこと。俺、明日が誕生日だったんだよね。
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ダンテの手を煩わせまいと、すべての攻撃をその身で受け続けるフォルテ。俺の26年間、結構楽しかったな。そしてフォルテは願う。どうせ死ぬのなら、あと1日生きたかった。常界のポップスター、27歳で死去。俺は歴史に名を残せるのにさ。
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フォルテの右腕の炎は消えかかっていた。刹那、フォルテを襲う闇の波動。そんな簡単に諦める男を、俺は使徒に選んだ覚えはない。波動とフォルテの間、割って入ったのはダンテ。共に奏でよう、俺たちの狂想曲を。教えてやろう、最高の二重奏を。
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ダンテが振るうレイピアは、まるで指揮棒のよう。勢いを取り戻したフォルテ。そしてレイピアを振るうたびに、一音、一節ずつ変わり始める戦況。壊れるトリオと壊れる光の翼と闇の翼。そうだ、叩き込んでやれ。フォルテの炎拳は、残された本体へ。
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消えていく扉の君。横たわったふたり。約束、覚えているか。問うフォルテ。なんの話だ。誤魔化すダンテ。だが、しばらくしてダンテは言葉を続けた。俺はきっと、羨ましかっただけなんだ。天国でも地獄でもない、イマを自由に生きるアイツらが。