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ひとつひとつ、憎悪に与えられる終わり。それと、俺たちに出来るもうひとつのことがある。アカネが口にした決意。だったらさ、俺たちはコイツらの分まで精一杯生きればいいんだ。胸を張って生きればいいんだ。それが、イマを生きる俺たちだから。
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だが、そんなアカネたちが歩みを止めたのは、目の前に新たな人影が現れたからだった。いや、それは人影と呼ぶにはあまりにも大きな翼を持っていた。そう、目の前に現れたのは、一度は封印されたはずの扉の君だった。これは絶体絶命、ってやつね。
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一度は倒したはずの扉の君。だが、アカネたちが立ち止まってしまったのは、無数の憎悪が扉の君に取り込まれていく様を目の当たりにしたから。私には名前すら与えられなかった。そう、私は聖なる扉のたった一部。私に名前など、必要ないのだ。
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扉の君を前に、身動きのとれないアカネたち。そして、そんなアカネたちの背後から近づく足音。そこまでだ。現れたのはフォルテ、グライフを従えたダンテだった。一番の頭でっかちがやってきちゃったわね。貴様たちは、なぜ世界の決定を裏切った。
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ダンテが問いかけた先のふたりの聖人。いいや、愚問だったか。ならば、俺がすることはひとつ。そして、ダンテが構えたレイピア。そして次の瞬間、ダンテの首筋に突きつけられたグライフの爪。貴様は俺に、第四の選択肢を与えてしまったんだ。