-
親子の話に水をささないで頂戴。ファティマの前に割って入ったのはリオだった。その後ろ、ヴィヴィアンを後ろから抱き止めたライル。天界の平和だとか、因果を断つとか、こんなやり方しか出来なかったのかよ。それは怒りであり、悲しみだった。
-
オレさ、全部知ってたよ。アイツとの出会いも。歳が近いオレを育てたのも、オレに戦い方を教えたのも、すべてはアイツを、誰かの子供を守る為だったんだろ。ごめんね、私の汚れた手で育てちゃって。それこそが、ヴィヴィアンの罪の意識だった。
-
だけど、最後くらいは世界の為に戦った立派なお母さんでいさせてもらえるかな。そして、ヴィヴィアンが振り払うライルの両腕。もう、頑張らなくていいんだ。えっ。そして両膝から崩れ落ちるヴィヴィアン。今まで育ててくれてありがとう、母さん。
-
大剣を握り直し、合図を送るライル。約束を忘れないで。共に同じ男を殺すと誓った約束。あぁ、オレは自由になるんだ。消えるリオの影。そして、なぜか目を見開いているファティマ。それはライルの背後に、更なる影が生まれていたからだった。