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長い戦いの中、勝負は時に一瞬で決まる。いや、そうではない。勝負が決まる時はいつも一瞬なのだ。勝者の証も、敗者の烙印も、その二択を決するのはいつも一瞬なのだ。その過程に、優勢劣勢があったとしても、最後の結果こそが全てなのだった。
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時間は残酷である。かけた時間が長ければ長いほど、その時間を失った時の敗北感は強くなる。だが、時間は平等ではない。だから、可能な限り、一撃で仕留める。少ない時間、少ない弾数で終わらせるのは、相手の為であり、自分の為でもあった。
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執行を完了すると、対象は無に帰すことになる。それは一つの命の完全な終わりを意味している。だが、その命には、繋がりが存在している。その繋がりを絶った時に初めて、執行が完了と言えるだろう。姿形を無くした者へも、執行は続くのであった。
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最後の仕上げは、時間が代わりにしてくれる。それは風化という、長い歴史の中で避けることの出来ない現象だった。いつか人は忘れられる。その時に、もう一度死ぬという。だが、ふとした時に思い出した時、それは生き返ったことになるのだろうか。
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時間が解決してしまったら、それは罪を償ったとは言えないのではないでしょうか。無魔将の教えはこうだった。誰かに忘れられる、誰の心にも残らない、それは存在の否定だ。この世界で誰の心にも留めてもらえない、それ以上の悲しみがあんのかよ。