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キミみたいな綺麗な女性の相手が出来て嬉しいよ。ポストルがしならせた蛇腹剣。私は嬉しくないわ、いまどきロン毛の男なんて気持ち悪いわよ。ヒルダが引いた弓。ご忠告、ありがとう。一瞬にして詰められた距離。素直なキミのことが気に入ったよ。
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誰かみたいなこと言わないで。慌てて身を翻したヒルダは距離をとる。ポストルの蛇腹剣が届かない場所へと。だが、それでも伸び続ける刃。ヒルダの放つ矢はことごとく避けられ、傷を与えることは出来なかった。まだ、逃げる力が残っているのかな。
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立ち止まったヒルダ。この声が届きますように。天へ放つ想いを乗せた矢。王への遺言かな。歩み寄るポストル。許して、私の負けよ。ポストルへと抱きつくヒルダ。なんて、私は可愛い女じゃないの。そして天へと放った矢は涙のように降り注いだ。