統神連合会の最高幹部となったダンテは、神界と統合世界のために忙しい毎日を送っている。そんなダンテの唯一の安らぎは、神界の小さな自宅でピアノを奏でているときだろう。
電撃引退をしたフォルテは、いまも隣で流れるピアノに合わせて、鼻歌を口ずさんでいるだろう。
首から上と首から下が180度捩れた姿が統合世界の各地で目撃され、都市伝説として流布しているが、もしかしたら、それはヨハンかもしれない。
件の都市伝説、その「捩れ男」の目撃時には、決まって猫でも犬でもある獣が目撃されるという。もしかしたら、それはワトソンかもしれない。
世界評議会の解体とともに、六聖人の任を解かれたイージスは、統神連合会の防衛大臣として、平和の維持に務めている。
イマもイージスのすぐ後ろには、大きな鞄を抱えたポタが付いて回っているようだ。
あえて常界の新組織の代表の補佐となったジャンヌ。アタシは歴史の裏側に消えなきゃいけない。だから、アタシの分までアンタは頑張りなさいよ。
ジャンヌが表立った行動を出来ないとき、そこにはかならずエジィが存在していた。
シオンが竜界へ帰り、神界との確執問題に取り組みだしたのは、きっと姿を消した兄を思ってのことだろう。
シオンの補佐を続けるチャッピーだが、もっぱらシオンの話し相手になっている。
イマの世界の平和のために、神界へと姿を消したニコラス。だが、一年に一度訪れる聖なる夜には必ず姿を現すようだ。
ドロッセルはその任が解かれたが、イマも自らの意志でニコラスに付き従っている。そう、もう監視して報告する必要など、なくなったのだから。
ラウフェイの存在の消滅は観測された。ニコラスの想いの通り、ラウフェイは言葉通りの最期を迎えていた。
ジャンヌの血を分け与えられ、セカンドになることで一命を取り留めたシャルラ。イマも未だすべての現実を受け入れきれずにいるが、ジャンヌはシャルラへの面会を続けている。
マリナは統神連合会の広報局のトップとして、ただひとつの捻じ曲がった真実以外、ありのままの真実を発信し続けている。
パイモンは常界の新組織の代表の側をいつまでも離れなかった。
自らの罪を背負ってくれた者のためにも、アリトンなりの罪の背負い方として、常界の新組織で争いのない世界のために日夜奮闘している。
天界と常界を行き来しながらも、常界の新組織の代表の補佐を続けているが、相変わらず裏表は激しいようだ。
アマイモンは常界の新組織に籍を置いてはいるが、行き場をなくした獣たちのための道を開くべく、自分に出来ることから始めている。
偽り続けることが世界のためと、クロウリーは常界の新組織の代表を務めている。きっと、もう普通の少女に戻ることは出来ないだろう。だが、それこそが自分の罪の償い方だと、クロウリーはその道を自らの足で踏みしめている。
アサナは聖導院で院長を務めていた。温かな日差しが差し込むこの場所で、温かく育ちますように。
レオラが再び常界の新組織への参加を決めたのは、離れていてもみなの心はひとつだと信じていたからこそ。そして、彼女の王が愛したイマの世界を守りたかったからだった。
レオラと共に、常界の新組織へ戻る選択をしたミレン。すべては、彼女の王の意思を尊重するためだった。
戦いを終え、常界で小さな洋食屋を開いたブラウン。予約必須の人気店となっているが、一年に一度、14人が集まる日だけは必ず予約を入れないようにしている。その日だけは、必ず全員が揃う日なのだから。
誰にもなにも言わずに姿を消したライル。きっと彼はイマの世界を自由に生きているだろう。もう、彼を縛る鎖は存在しないのだから。
誰かに雇われたくはないと、探偵を始めたランの元に届くのは浮気調査の依頼ばかりだった。
フェリスは離れていた時間を埋めるよう、天界へ移住し、天界の学校へ通い始めた。
常界の新組織へ籍を置く選択をしたロア。毎週金曜日の夜は、どこぞの探偵と飲み歩いているらしい。
アスルもまた、常界の新組織へと戻る選択をしていた。すべては、かつて存在した王の騎士として、その名に恥じぬようにと。
常界でアパレルブランドのプレスの仕事に就いたヒルダ。彼女のブランドのコレクションでは、稀に長髪の魔物が起用されるらしい。
常界の新組織に属することなく、世界を旅しながら回っているオリナ。統合世界の各地で、さまざまな武術を学んでいる。
戦いのあと、姿を消したリオ。きっと、統合世界の各地で争いが起きたとき、人知れずに鎮圧されていたとしたら、それはリオのおかげだろう。
ローガンは常界の新組織からの勧誘を断りはしたが、自ら民間軍事会社を立ち上げ、イマも新組織と良好な関係を続けている。
世界の敵だったアーサーは処刑された。もし、統合世界を旅するアーサーを見かけたとしたら、それはきっとアーサーではないだろう。そう、アーサーは処刑されたのだから。
サンタクローズは親友が守った世界へ、イマも幸せを届け続けている。そして、年に一度の仕事終わり、みんなで集まる日を誰よりも楽しみにしていた。
タマはもう、存在しない。そう、存在する必要がなくなったのだから。
ディバインゲートと共に消滅したゼロは、無の存在となりながら、永遠に統合世界を見守っているだろう。
常界の新組織に籍をおきながらも、自由になったギンジは、統合世界を旅しながら、次に自分のすべきことを探していることだろう。何者かになった青年は、何者でもなかった少年のように、次の舞台へ。
夜が訪れるたびに、人々が安らげるのは、統合世界に訪れる夜とシャドウがひとつになったおかげだろう。
魔界の女王の任を自ら解いたユカリは常界に残り、常界と魔界の橋渡し役を担っている。それが、彼女の選んだイマであり、彼女のための、彼女が生きるイマだった。
眩しい朝がみなのもとに訪れるのは、きっとウィルオウィスプがみんなの笑顔を見たいからだろう。ディバインゲートと共に消滅したが、彼女の想いは生き続けている。
天界の新組織の代表が決まらず、イマもヒカリは天界の各地を駆け回っている。大変なイマ、だが、それでも彼女は笑顔を絶やさなかった。なぜなら、この先には幸せな未来が待っていると信じていたから。
風はときに厳しく、ときに優しい。それはきっと、シルフが生きとし生ける命のためを思ってのことだろう。過ちを犯すことはある。だが、それでも風向きは変えられるのだから。
ミドリの居場所は竜界だった。竜界の新組織に籍をおき、天界、魔界、常界、ひいては神界との橋渡しを担っていたミドリ。走り出したら止まらない。そう、彼女はたくさんの追い風を感じているのだから。
雨が降ると、退屈な気分になる人もいるだろう。だが、雨が降ると、心が落ち着く人もいるだろう。それは自然への恵みでもあり、心への恵みでもあった。ウンディーネの想いは、みなの心へ。
波打ち際、その体を委ねていたアオト。砂浜に記したふたりの名前は、きっとすぐ波にさらわれるだろう。だが、それでよかった。最愛の女性はその心に生き続けるのだから。イマの僕に、なにが出来るのかな。きっと、なんでも出来るよね。
夕焼け空が告げる一日の終わり。茜色の景色。どこか懐かしくて、寂しい。だが、悲しい顔をしたら怒られてしまうだろう。きっとそこには、イフリートの想いが存在しているのだから。
アカネ、そろそろご飯の時間よ。呼び声に応じて、分厚い参考書を閉じたアカネ。その日常は、イマが守られたからこそ訪れた日常であり、再び父の背中を追いかけ始めたから。なぁ、父さん。みんな。俺は、イマを大切に生きていくよ。
イマもまだ、ロキはどこかに存在しているかもしれない―。