失われゆく自我。オレはいったい、誰を恨めばいいっていうんだよ。わかりきった自問自答。オレが失敗作なら、最高の失敗作になってやろうじゃねぇか。最後まで、失敗作らしくあがいてやるよ。そして、片翼で始める悪あがき。その日、刻の狭間から天狂獣グリュプスは姿を消した。このオレが、後悔させてやるよ。
失敗に終わった聖王奪還作戦。それでも、僕は彼を信じます。それは、幼き日の聖王を知っているアサナだからこその想い。きっと、彼はいまでも戦っているんです。だから僕たちは、いつか彼が帰ってきた時に、彼が心から安らげる世界を創る為に戦いましょう。そして、円卓の騎士達は各地へと散っていくのだった。
はじめまして、ですよね。無英斧士へと語りかけるのは、広報局員へと立場を変えたマリナだった。わたくしは、来るべき日の為に、ここへと参りました。そんな彼女が広報局員として追いかけるのは、戦争に乗じて常界の各地で起きる暴動を人知れず抑制する存在達。だからどうか、力を貸して頂けないでしょうか。
聖戦はいわば、過去の再来。そして、それは過去ではなく未来。そんな絵を描くのであれば、それを塗りつぶすまでです。神虚狐ヤシロは動き始める。そして、この世界が求めているのは神ではない。彼らの好きにさせてはいけない。友の為にと、ひたすら我慢を続けた無英斧士の元に、心強い協力者達が集い始めていた。