廻る廻る、観覧車。廻る廻る、回転木馬。灯りの消えた遊園地、深夜に鳴り響くは筆の音。ボームは無我夢中に書き綴っていた。お疲れさま。でもまだ、この物語は終わらないよ。置いた筆、鳴らすは口笛。そして踊り出すキャスト、煌き出す景色。電飾に彩られた遊園地は、招待客への深夜営業が始まろうとしていた。
煌くパレードが持て成すのは行き場を無くした言葉無き四体。そんな四体に声をかけた初老の男。僕は、永久の魔法を信じることにします。最後の挨拶が、それでいいのかい。道化者ボームは語りかける。後はお願いします。そして男は姿を消した。少し未来の話、とある遊園地は、いつも多くの家族の笑顔が溢れていた。