一人の魔物は、世界の為に竜になった。一人の妖精は、世界の為に神になった。そして一人の男は、竜であり、神だった。竜が神になったのか、神が竜になったのか、その答えを知るものはいない。ただ、そこに竜であり、神であるヒスイが存在していたことに変わりはなかった。あいつら、本当に昔から、変わんねぇな。
俺より先に、老けてんなよ。竜神ヒスイが声をかけた初老の竜。その言葉から伝わる二人の関係。久しぶりに帰ってきたのにさ。多節棍型ドライバ【ズアオ:リミン】を手にした姿は、言葉とは逆に楽しそうだった。早く囚われの姫を、助けてやれって。視線の先は、竜王の玉座。当たり前だ。そして、竜王は立ち上がる。