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神界への道を真っ直ぐ走り出したアカネたち。だが、その道は簡単なものではなかった。塗りつぶしきることの出来なかった憎悪たちがアカネたちを襲う。ねぇ、この憎悪の正体って。そう、襲いかかる憎悪の正体にいち早く気づいたのはアオトだった。
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なんだか、みんな悲しそう。そう口にしたミドリ。気づいたと思うけど、この憎悪は犠牲になった過去の世界の命よ。神々によって犠牲にされた無数の命。その上に、神界は成り立っているんだから。そして、それはもうひとつの意味を持っていた。
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そんなの、悲しすぎるよ。そうこぼしたヒカリ。そう、この憎悪が持っていたもうひとつの意味。そう、俺たちは生まれ変わり続けた世界を否定して、イマの世界を肯定しようとしている。それは即ち、未来への礎となった過去の世界への否定だった。
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神界に辿り着くには、すべての憎悪を切り捨てなければいけない。だけど、この散っていった命に罪はないのね。そんなユカリの言葉には戸惑いが隠れていた。せめて、私たちからだけでも、彼らにオヤスミを。もう、泣かないで、苦しまなくていいの。
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もし死んだらさ、俺は何にもかも無くなるのかと思ってた。だからこそギンジは思った。俺たちが、無に帰してやろうぜ。きっとそれは安らかな終わり。そのぐらいのことなら、俺たちでもしてやれるはずだ。だから、少しでも早く、一歩でも、前へ。