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開かれたのは王の間の扉。一歩ずつ、一歩ずつ、響き渡る足音。うつむくことなく、ただ真っ直ぐに前を見つめ、紫色のストールだけが揺れる。久しぶりね。うん、久しぶり。こうして、ふたりの女王の再会は、ひとしれず静かに果たされたのだった。
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単刀直入に言うわ、いますぐ負けを認めなさい。ヒカリを見つめる視線。断るわ。ユカリを見つめる視線。交わったふたつの視線の間に生まれる緊張。言葉で分かり合えないのなら、することはひとつしかないわね。ユカリは大鎌を構えるのだった。
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私はユカリちゃんの本当の想いを知りたいの。ヒカリが取り出した大剣。私の想いなんて、私の中には存在しない。そう、私の中に存在するのは、女王としての想いだけよ。ユカリを締め付けるのは、大好きだったひとりの小さな女王の想いだった。
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私は女王として、いまここにいる。それなら、私も同じだよ。そこにいたのはまぎれもなく、幼いながらも、女王としての責務を全うしようとするふたりの女王だった。だから、お互いのすべてをかけて争いましょう。どちらの女王が、正しいのかを。