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水の少年は、罪を被ることは、弟の為だと言い聞かせてきた。だが、誰かが殺さなければ、自分が殺されていたかもしれない。少年は、弟に助けられた。そして、弱い自分のせいで、弟は罪人になった。罪を被ることは、自分勝手な償いでしかなかった。
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再会した弟、少年は殺されることを願っていたのかもしれない。だが、そんなことは周りの誰一人も願ってはいなかった。最愛の女性を失い、初めて気付いた事実、自分はいつも、生かされてきたのだと。そして少年は、初めて生きようとしたのだった。
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傷つき倒れる仲間達、最後に一人残された少年。無我夢中に振るう刃、失われた落ち着き。そんな時、心に留めた水から聞こえた声。やっぱり、私がいないと駄目みたいだね。優しき水は少年を優しく抱きしめ、そして、少年は最愛の女性を抱きしめた。
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神へと抗う最上階、再会した四人の少年少女。少年は傷ついた三人を癒し、また、その行為に言葉は必要なかった。僕たちは、生きるんだ。あぁ、そのつもりだ。うん、もちろんよ。おう、ったりめーよ。鞘から抜かれた刀、それが総攻撃の合図だった。
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戦いは終わり、少年は黄昏の審判を引き起こした戦犯の一人として追われることとなった。すれ違ってしまった二人の友達、罪を重ね続ける弟、そんな三人の為、再び降り出した雨の中、少年はその身を戦いに投じるのだった。いつか、晴れますように。