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ラウンジ:ジュピターにはいつも心地良い風が流れていた。そう、冷たくもなく、痛くもなく、まるで春風のような心地よさ。そんな心地の良さに乗り、運ばれて来たのは、心地の良くない風。魔界の風は、風にのり、無限に増殖しようとしていた。
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魔界の風の直後に流されて来たのは、沢山の幸せを届けようと、沢山の手紙を抱えた風の妖精。魔界からも、天界からも、このラウンジには幾つもの風が流れ着く。そして、流れつくのは風だけでなく、時には水の妖精さえも間違えて流れ着くのだった。
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心地よい風は、風を動力源とした自立型ドライバの活動を活発にした。そう、動力源は風、機体の色は緑。だけど、しかれた警戒態勢は青。その場で動力源の増幅を可能にする環境に頼ることなく、自立進化をした青い自立型ドライバが忍び寄る。
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代わり代わり姿を見せる乙女達。風の吹くラウンジ:ジュピターには、風に愛された乙女が。助けを求めるかのような潤んだ瞳が、眼鏡の奥に見え隠れしていた。そんな乙女を慰めるかのように、水に愛された乙女が、笑顔で手招きをしていた。
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ちょっと立ち寄ったラウンジで一休み、風の悪魔はいつものガスマスクを外し、心地良い風に吹かれていた。そう、心も体も休ませていた。そんな彼女の前に姿を見せた来訪者に、焦るがあまり、風の剣を向けるのだった。全ては照れ隠しの為に。