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翠玉色の輝きを魅せたのは翠玉塔エメラルド。風を集めたその宝石は予期せぬ侵入者に対して絶望するほどの強風を吹かせる。塔の入り口を開いたが最期、吹き荒れる風に乗り、猪突猛進のごとく、魔界<ヘリスティア>の風の猪が全速力で襲いかかる。
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風に負け、傷を負う侵入者達。だけどそれでも、敵、味方、関係なく、統合世界<ユナイティリア>に生きる全ての者の傷を癒そうと、安らかな乙女は四苦八苦。自らの身を危険に晒しながらも、誰も傷つかなければそれでいい、そう願っていた。
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昇り続ける翠玉塔、更に強さを増した風。それは塔が起こしたのか、それとも猪突激進の如く砂埃を撒き散らしながら襲いかかる3匹の猪が起こしたのだろうか。どちらにせよ、吹き荒れる強風を抜けない限り、次の階層への扉が開かれることはない。
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重い風が吹いたのは第四階層。そこにいたのは秘密裏に開発されていた大型の自立型ドライバ。圧倒的進撃力を見せつけたその機体は、今までとは違う、重い風を吹かせた。吹き荒れる重圧、かいくぐるべきは止まることを知らない進撃。
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数多の風をかいくぐりながら辿り着いた最上階。待っていた空の覇者。最上階の風竜は風に乗り、風を起こし、そして風に揺れた。侵入者に臆することもなく、ここが自らの庭だと言わんばかりに、最上階の空を自由に飛び回っていた。