-
そこまで。試験官の声が響いた。だが剣を止めることのないレオラ。そこまで。再び強い声が響いた。我に返るレオラ。また、やってしまいました。レオラは中等部にも関わらず、確かな剣技を持っていた。だが集中すると周りが見えなくなるのだった。
-
何度目かの評議会採用試験。試験官としてレオラと対峙したアーサー。ただ、一途に想いをぶつけるレオラ。アーサーは一太刀一太刀を丁寧に受け止める。だが、アーサーが太刀を受けずにかわすと、レオラは場外へ足を踏み出してしまったのだった。
-
張り出される合格者の番号。そこにレオラの数字はなかった。それは当然だった。やっぱり、私は向いてないのでしょうか。地面を見つめるレオラ。視界に入る革靴。見上げるとアーサーがいた。これから宜しく頼む。おいつかない思考。試験は合格だ。
-
アーサーの独断により、レオラは評議会入りを果たし、ベディヴィアの名前を与えられた。そして、ベディヴィアの人生は変わった。あるときはアーサーの剣となり、あるときはアーサーの盾となる。ベディヴィアの胸は、アーサーでいっぱいだった。
-
ベディヴィアはアーサーの側でアーサーを想い続けていた。自分の恩人だから。頼れる上司だから。だが、どれもしっくりこない。最後の晩餐のときも、その答えはわからなかった。だが、それでもベディヴィアはアーサーのことを想い続けていた。