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いつもどおり決まった席につく。その席は誰かが決めたわけではない。ただ、互いが互いを考え、そして自分という存在の役割を理解しているからこその席。ひとりひとりが組織と自分を理解している。そこには言葉に出来ない信頼関係が存在していた。
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円卓を囲む沢山の笑顔たち。その笑顔には様々な意味が存在していた。過去を思い返す笑顔。いまを楽しむ笑顔。明日を信じる笑顔。各々が浮かべる笑顔。並んだ13個の笑顔。彼らは別々の13人という存在でありながらも、ひとつの存在だったのだ。
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今日という日は特別だった。この中で、いったい何人が気づいていただろうか。今日という日を、彼が最後にするつもりだと。最後の晩餐にするつもりだと。だからどうか、いまという時間だけは心から楽しんで欲しい。最後の晩餐は彼の贈り物だった。