グライフがダンテから与えられた任務。一つ、王の象徴であること。二つ、神の翼になること。三つ、黄金を守ること。一つ目と二つ目、それは王都ティンタジェルで王から神へと変わるアーサーを見届けることだった。そして、三つ目の黄金の意味―。
―それは、やがて王となるクロウリーの力となること。そう、最初は二択の三択だった。だが、違った。ダンテ、貴様は初めから、裏切るつもりだったんだろう。そう、一択の三択だったんだ。だから俺は、第四の選択をした。俺が貴様を裏切るという。
一瞬の隙をつき、グライフの爪を弾いたフォルテ。俺はアンタがどういうつもりか知らないし、聞かされたこともねぇよ。そのフォルテの言葉はダンテへ。だけど、俺はアンタだからついてきたんだ。だから、アンタの思うように、好きにやってくれよ。
ダンテの真意を知り、頭を抱えてしまったジャンヌ。だったら、なんで最初から言わないのよ。そして、その問いにレイピアで答えたダンテ。俺の奏でが道を開く。引き裂かれた空間、そこに生まれたのはかつてダンテが通った聖神へ通じる裏口だった。
さぁ、早く進め。裏口へ飛び込むアカネたち。行かせるか。すかさず飛びかかるグライフ。だから、邪魔すんなって。そんなグライフへと殴りかかるフォルテ。あとは、頼んだ。優しいダンテの微笑み。そして、ダンテはその裏口を閉じてみせたのだった。
残されたのは扉の君、グライフ、そして、ダンテとフォルテだった。聞かせてもらおうか、なぜ裏切ったかを。それはダンテからグライフへの問い。そして、グライフは答える。どうして俺がセカンドとして完成したか。俺には完全な神格が与えられた。
グライフの目じりに浮かんでいたのは、勝者である神々の力。そうか、どうやら俺が見誤っていたようだな。そう、グライフはダンテに従いながらも、神々の意思に支配されていたのだった。だとしたら、俺がここで貴様を始末しなければなるまい。
いいや、それは違う。新たに響いた声。アイツを討つのはオレだ。そう、更に現れたのはすでにその半身が蝕まれていたグリュプスだった。出来損ないが、死に場所を求めてやってきたか。こうしてまた、異なる因果も結末への道を辿り始めるのだった。
グライフと対峙したグリュプス。そして、無数の憎悪を取り込んだ扉の君と対峙したダンテとフォルテ。そして、フォルテは言う。なぁ、やっぱり最後に教えてくんないかな。無言のままのダンテ。俺さ、やっぱり知っておきたいんだ。アンタのこと。
アンタがいままで、なにを見てきたのか。なにを考えていたのか。どんな想いだったのか。それを俺に教えてくれよ。フォルテは純粋だった。そして、ダンテは答える。無事に生き残れたら教えてやろう。あぁ、男の約束だ。こうして戦いの幕は上がる。