久しぶりの勝負だな。人差し指を支点に回された二丁の銃。対するは光輝く大剣。対峙したランとヒカリ。お前はなんとも思わないのかよ。ランの挨拶代わりの銃弾。アイツは、お前の兄貴なんだろ。銃弾を弾いたヒカリ。だからこそ、私は止めたいの。
なにか、事情があってあんなことしたと思う。だから、きっとみんな理解してくれると思うの。ヒカリはアーサー処刑組にいながらも、アーサーを信じていた。世の中、そんなに甘くねぇよ。ごめんなさいで済む話なら、いま俺が立ち塞がってねぇって。
ヒカリを追い詰めるラン。俺は無駄に生死の境を彷徨っちゃいないんだ。距離が離れれば銃弾を撃ち込み、近づけば銃の刃で切りつける。そして、ヒカリのこめかみへと突きつけられた銃口。だけどさ、どこの世界にボスの妹を殺す馬鹿がいるんだよ。
アーサーの執務室へ、トリスタンが案内してきたのはラン。ちっす、今日から異動になりました。元査察局のランです、宜しくおなしゃーす。目を合わせることもなく、適当にうわべを述べる。査察局長は勤務態度の悪いランを押し付けたいだけだった。
だが、アーサーはランを歓迎し、パーシヴァルのコードネームを与えた。パーシヴァルはそんなアーサーを不気味がり、異動に異を唱えていた。案の定、真面目に仕事に向き合わないパーシヴァル。同期のユーウェインと共に仕事をサボる日々が始まる。
しびれを切らしたトリスタンはふたりを呼び出した。どうしてあなたたちがサボっていても、処罰が下されないか考えたことあるの。そう、ふたりが放棄した仕事は、すべてアーサーが片付けていたのだった。ボスは言っていた。それでも信じる、って。
なんつーか、悪かった。謝罪の言葉を述べたふたり。なんの話だか。知らないフリをしたアーサー。執務室をあとにしようとしたふたりへ背中越しの言葉。俺はオマエたちを信じる。そして、ふたりは振り向くことなく手を掲げ、親指を立てるのだった。
最後の晩餐の席でも、アーサーは光り輝いていた。そうさ、眩しいくらいに輝いてくれよ。それはパーシヴァルの冷やかしであり、心からの言葉だった。俺みたいなクズを受け入れてくれるボスなんて、アンタしかいない。ここが、俺の居場所なんだ。