互いに炎を燃やし、そして互いに血を流すふたり。きっとあの子たちは戦場で出会ってなかったら、素敵な友達になれたんじゃないかな。だが、ふたりが出会ったのは戦場だった。だからきっと、あの子たちはあの子たちの覚悟を決めてるんだよ。
ヒメヅルとサニィ、ふたりの頭の中には、すでに戦争の二文字は消えていた。きっとね、あのふたりは全力で喧嘩してるだけだから。構えた刀と杖。そして、最後の一歩を踏み出すと共に、踏み出された最後の言葉。生まれ変わったら、友達になろう。
愛を求めるムラサメと愛を憎むレイニィ。あなたの友達が可哀そうね。どうしてですか。きっと、その友人達は、最後まで愛をつらぬいたのよ。違う、人間に惑わされただけなの。動揺する心。あなたにいいことを教えてあげる。今から私を愛しなさい。
弾かれた杖。振り上げられた刃。私を愛したのなら、私の為に死になさい。そうすれば、あなたもわかるでしょう。愛する人の為に死ねるという喜びが。そこにあったのは歪んだ愛。そして、振り下ろされた刃はレイニィの心を斬り裂いたのだった。
もう止めとけよ、ベイベ。お前の方こそ。無数の傷口に染み入る風。漢には引けない戦いってヤツがあるんだぜ、ベイベ。奇遇だな、俺も引けない戦いってヤツなのさ。風が泣いているか、笑っているか、それはふたりが命を張るに十分な理由だった。
そして、互いに纏いし風の果て、倒れたふたりが最後に見上げたのは空。そこには相変わらずの風が吹いていた。そんな風がふたりの頬を撫でたとき、ふたりはひとつの答えに辿りつきながら瞳を閉じる。あぁ、風は泣きながら笑っていたのだ、と。
仇をとりたかったんじゃないのか。それはライトブレードがシャイニィの隣にいる理由。だけど、どっか行っちゃったみたい。いつの間にか姿を消した光神。だからさ、俺をハニーに会わせてくれよ。ライトブレードの視線の先にはライキリがいた。
なんだよ、小僧同士の喧嘩か。シャイニィはふたりを見守っていた。どうしたんだ、裏切り者の俺を、始末しないのか。真っ直ぐな瞳のライトブレード。ただ立ち尽くすライキリ。訪れた静寂。そして、その静寂を終わらせたのは、一発の銃声だった。
みんな死ねばいい。魔物への怒りを顕にしたクラウディ。あんたらの女王だって、付き添う闇精王だって、みんな大嫌い。杖から発せられた闇が形を成したのは大鎌。私がすべてを切り裂いてあげるのよ。そこには残された力すべてが込められていた。
私はこのときを待っていたの。振り下ろされた大鎌が貫くムラマサの体。崩れる残された片方の足。私の勝ちよ。口角を上げたクラウディ。だが次の瞬間に変わる表情。ムラマサ流、抜刀術。怨みは私の好物よ。そして、ふたりの戦いは終わりを迎えた。
それでこそ俺の弟子だ。偽の一文字を背負ったナキリは愛弟子を褒め称えた。違う、私は誠を背負うんです。だが、その想いは虚しくも散る。立ち上がることの出来ないムミョウガタナ。太刀筋が語ってるぜ、俺と戦い、そして越えてみたかったってさ。
やっぱり師匠は全部お見通しなんですね。ムミョウガタナが見た誠、自分へ正直な生き方。ある意味テメェは正直者さ。ナキリは少し悲しそうな笑顔を浮かべた。これが漢の生き様だ。そして、スノウィへと向られた刃。そういうの、僕は嫌いだから。