おやおや、こんな素敵なお洋服、誰にもらったんだい。そう語りかけられたシェイクスピアは少し大きめのマジカルミライ2014の初音ミクの衣装に身を包んでいた。へぇ、戯曲を綴るだけでなく、作曲までするなんて本当にいい子だ。だが語りかけた男は知らなかった。彼女が綴った五線譜が出鱈目だということを。
再会した三人の友達と、その身を力に変えた四人の大精霊と共に打ち破った聖なる入口。だが、評議会の策略により少年は咎人となり、その身を湖畔に隠していた。渡せなかった聖剣を抱き寄せた湖妖精は言う。聖戦に、行くんだね。炎咎甲士アカネは消えた大き過ぎる背中を見つめる。父さんの想いを、無駄にはしない。
千本鳥居の下、雨は少年を打ちつける。開かれた扉の神は消え、大切な仲間達も数多く消えた。終焉を迎えた黄昏の審判、新たに始まる聖戦、それは聖なる出口を賭けた争い。それでも君は、行くと言うんだね。見送る神主狐。再び罪人になろうとも、水咎刀士アオトは歩き出す。もう二度と、君を失くしたりはしない。
開かれた扉の神に抗った少女もまた、戦犯者として指名手配されていた。竜王により逃がされた先は竜界。失った仲間達を思い出しては、逸る気持ちを抑えていた。そんな彼女を尋ねる初老の男性。その腕輪、見せてくれませんか。力失き声と穏やかな笑顔。風咎棍士ミドリの時は動き出す。今度こそ、一緒に走るんだ。
黄昏の審判は終わり、天界と神の繋がりは途絶えた。綴られし妖精王は消え、辿り着いた歪な平和の真実。美宮殿で難しい書類に目を通すのは妖精王の座を継いだ光妖精王ヒカリ。その直ぐ傍、世界評議会を抜け、幸せな世界を求める天才の姿が。新たな女王は告げる。今度こそ、私がみんなを幸せな世界へ連れて行くよ。
終焉を迎えた黄昏の審判、平穏を取り戻した統合世界。だが、それは束の間の平穏だった。新たに即位した魔界の女王は大好きな幼馴染を抱きしめていた。あなたと私は、二人で一人。闇魔女王ユカリが口にした宣戦布告。神へと加担した歪な平和を壊す為に始まるのは、魔界と天界の聖戦。そうよ、戦争を始めましょう。
神様のごっこ遊びは幕を閉じた。世界評議会から悪戯王と聖王は消え、道化竜は戦犯者として統合世界全土へ指名手配に。また、黄昏の審判を阻止した一人の英雄も存在していた。その男の名前は無英斧士ギンジ。彼は全てを知りながら全てを語ることなく、世界評議会最高幹部の席へと就いた。まだ、終わってないんだ。
物心がついた頃、部屋から出る事は許されなかった。壁に貼られた世界地図を眺める毎日。そして、突然だった。気付けば雪降る世界に。そして出会えた大切な親友。そんな親友が笑顔にさせる世界、そんな広がる世界を、俺はきっと守りたかったんだ。
今日もあの子が泣いていた。昨日もあの子は泣いていた。明日はあの子に笑ってもらいたい。どうして、あの子はいつも一人なの。堕ちたからとか、人間だからとか、そんなの私は知らない。だって私は、泣き虫なあの子のことが、だいすきなんだから。
美しき世界の為に、許されざる偽りを続けた。それが正しいと、皆の為だと思っていた。でも、所詮私は綴られた存在だった。最初から踊らされていた。だから、最後にあの子に伝えることが出来て良かった。嘘偽りない、幸せな世界になりますように。
刻を司る神様が遅刻だなんて、そんな話聞いたことねーよ。あーあ、やってらんね。どっかの誰かさんが犠牲になって閉じた扉もこのざまだ。でもさ、人間にしては結構やるじゃん。きっちりと時間は、稼げたみたいだな。さっさと終わらせちまおうぜ。
魔法が使えなくなった魔法使いなんて、無様ですね。でも、それでいいんです。僕は所詮道化です。だから、最後は盛大に踊らせてもらいますよ。夢より素敵な、自作自演の魔法をご覧下さい。きっと、家族のみんなも笑顔になってくれるはずですから。
終わらない旅の中で、共に歩む幾つもの炎と炎の共鳴<リンク>がもたらす進化により、炎はより強い炎となる。その胸に灯した熱い炎を絶やさぬよう、開かれた扉のその先を目指す者へ、汝が歩まんとするその道に、炎の祝福があらんことを。