無に帰すことが叶わなかった白い日の約束事、肩を落とした少年の前、何も無かったはずの空間に、何事も無かったかの様に夢幻の駅が存在していた。汽車から降り立ったのは鎧型ドライバ【イバラキドウジ】を纏ったラショウ。漢が何を落ち込んでおる。俺の気持ちがわかるのかよ。恋に破れた少年は、斧を振り上げた。
少年は恋に打ち破れ、そして【イバラキドウジ:弐式】を纏ったラショウを打ち破った。そなたを送り届けよと、我らが古の竜王より仰せつかっておる。男が差し出した手を拒み、決意の眼差しを返す少年。おかげで目が覚めたよ、俺にしか出来ないことをするんだった。少年は汽車に乗らず、自らのその足で歩き出した。
何も無かったはずの場所に、何事も無かったかのように、何の変哲も無い駅が存在していた。何故その場所に駅があるのか、何の為に駅が存在するのか、その理由は一体何なのか、その全てを知ることが出来た時には、聖なる扉へと辿り着けるだろう。