二人のワガママ王子と共に育ったエリザベートにとって、波乱万丈な非日常こそが日常だった。些細なことで殴り合いの喧嘩をする二人と、それを止めようとする一人。だけど必ず、最後には一緒になって笑っていた三人。全ての争いが終わり、また三人揃って子供の様に笑い合える日を、彼女は心待ちにしていた。
自らの産まれた世界を守る為、一人の王子は常界へと帰った。そんな彼を気遣って、もう一人の王子も常界へと降り立った。しかし、届いてしまったのは一人の王子に仕えるはずだった妖精の開花の知らせ。無の美女エリザベートは焦る気持ちを落ち着かせる暇もなく、二人の王子を、大切な幼馴染を追いかけて常界へ。
無の浴室で待っていたのは二人の幼馴染の安否ばかりを気にかけていた無の美女。いつか子供の頃の様に全力で喧嘩をして、そしてまた、最後には笑い合うことが出来るのなら。そんな遠い日の思い出を守る為、彼女は戦いへの覚悟を決めたのだった。
西暦2013年9月30日、聖なる扉は開かれた。そして新たに生まれた聖暦という時代と統合世界<ユナイティリア>。炎を灯した少年、水を留めた少年、風を纏った少女、光を宿した少女、闇を包んだ少女、無を好んだ少年、6人の冒険は始まった。