轟く雷鳴、崩れる王都、玉座の聖神。それは大いなる希望が辿り着いた景色。俺はお前の選択を認めない。サンタクローズが漏らした声。だが、その声が神の道を選んだアーサーの心へ届くことはなかった。だけどね、キミたちの希望は無事に届いたよ。
僕は世界中の誰よりも幸せなんだ。あの雪降る日に、肯定された命。そして、彼へ向けられる笑顔は、歳を重ねるにつれ増えていった。やっぱり俺は幸せものだ。そう、だから俺こそが、世界の悲しみを背負うべきなんだ。そんなアーサーへ捧げられた祝福。誕生日、おめでとう。どうか、みんなの言葉が届きますように。
もし、彼が別の道を歩んでいたら。クリスマスの飾りが施された理想郷アヴァロン。届けられるのは沢山のプレゼントと沢山の笑顔。そこに溢れる沢山の幸せ。皆が口を揃え、誕生日を祝福し、共に喜びを分かち合う。もし、彼が別の道を歩んでいたら。
そして、常界の王の間に集められた数々の人影。咎の汚名がそそがれた3人、天界、魔界からの代表として来た女王ふたり。また、かつての王の部下であった円卓の騎士たち。その他、大勢の実力者たち。そこには、常界の最高勢力が勢ぞろいしていた。
では、王としてここに宣言させてもらう。口を開いた聖常王。私の目的はたったひとつ、そう、神界へと消えたかつての王、アーサーを常界へ連れ戻すことだ。それこそが、すべての災いから、ディバインゲートから統合世界を救う唯一の術なのだから。