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第零世代自律兵器型ドライバ【オリジン】は瞳を閉じ、長い時間眠っていた。繰り返される日々の中、巡り廻る幸せな世界と悲しみの世界、破壊と再生の歴史。彼女は一体いつから存在していたのか、そして、自律兵器は統合世界の夢を見るか、それは彼女を生み出した、神の手を持つ者のみぞ知る話でしかなかった。
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あなたに、羽ばたく翼は与えられなかったのね。閉じられた聖なる入口の前、既に動くことすらままならなくなっていた偽者へ告げた別れ、直後、粉々に砕いた四本の腕。瞳を覚ました【オリジン:マキナ】は優しい声で呟く。次は、あなた達よ。その声は笑い続ける鼓動となり、六体の自律兵器へと届いたのだった。
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開かれた扉だとか、女王への即位だとか、私あんまりそうゆうの興味ないのよね。親が決めたレールだなんてつまらないわ。何気ない日常こそが、私にとっての非日常だっていうのに。どう、ほら、似合っているかしら。案外気に入っているのよ。
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その格好、どうしたの。ただ、失脚しただけさ。だが、互いに浮かべる晴れ晴れとした笑顔。やはり、私は代表の器ではない。だから、私は私のやり方で戦う。その方が、お似合いね。不在となった常界代表。不安を募らせる民。名声と引き換えに失う自由、与えられる束縛。空いた席に、いったい誰が座りたがるかしら。
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スフィアが目を通した書類には、地方の暴動鎮圧に乗り出していた元世界評議会所属、元常界代表専属の特務機関の面々が記されていた。彼らは、彼らに出来ることをしているのだな。そう考えれば、なんの変哲もない報告書だった。だが、なぜだ、なにかがおかしい。生まれた違和感。その答えは、既に動き始めていた。