珍しい格好をしているわね。闇魔女王は見てしまった。ち、違うわ。珍しく動揺をみせるファティマ。なぜなら、彼女はメロンドレスを身に纏っていたからだった。こ、これは違うの、新しい式典用のお召し物よ。まぁ、いいわ。立ち去る闇魔女王は知っていた。それがケットバス王国の姫君のドレスであることを。
彼らが生きた記憶は、みなの心の中で生き続けるのだから。そう、観測はここで途切れる。だが、それは決して終わりではないんだ。そうさ、イマの世界は続いていく。共に、不確かなイマを生きていこう。大丈夫さ、私たちと出会えた君なら、きっと。
そして、扉を越えた彼らになにが待っていたのか、もう少しだけ彼らの未来を覗いてみようか。それが、私から君への最後の贈り物だ。またいつの日か出会えることを願って、再会を約束しよう。さよなら。 記・観測神クロノス