平穏を保っていた統合世界に不協和音が鳴り響く。突如として炎に包まれる常界の地方都市。俺はただ、言われたことをしているまでだ。アインはまだ少年だった。燃やすだけの、簡単なお仕事さ。勢いを増す炎。どうせ俺達に、居場所はない。そして、彼の力は増幅型ドライバ【コード:F】に閉じ込めたままだった。
炎が辺りを燃やし尽くした時、そこに炎咎甲士が立っていた。派手に騒いだかいがあったぜ。拘束を外し力を解放するアイン。ぶつかり合う炎。オマエを殺して自由を手にする。だが、その戦いを静止したのは髪を短く切り揃えた女だった。貴方を守るよう、仰せ付かりました。甲と銃剣は横に並び、悪しき炎と対峙する。
新たな隊服を纏ったレオラが髪を切ったのは覚悟の為などではなかった。気付いたんです、恋だったって。それは甲士と共に悪しき炎を退けた後の告白。でも、本当の想いに気付けなかった。見上げた先はかつての理想郷。だから、これは失恋です。溢れる笑顔。そしてもう一度、本当のあの人を、好きになりたいんです。