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ノアの炎はあたりをたちまち炎の海へ。そこに言葉はなくとも、伝わる想い。終演のときまで、誰ひとり逃げ出すことは許しません。アカネたちを見失った北欧神たちは次々とオズへ刃を向ける。そして、一番最初に飛び出したのはオーディンだった。
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その力の正体、確かめさせてもらうよ。オーディンの槍を弾いてみせたオズ。そう、力を持たず生まれたオズが、どうして対等に渡り合えるのか。そして、続く二撃目はヘルヴォルだった。手品っていうのはね、必ず種と仕掛けがあるもんなんだよ。
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そんなヘルヴォルの刃さえ弾いてみせたオズ。だから言ったでしょう、種も仕掛けもありません、と。そして、右手から放った炎が貫いたヘズの体。左手からの炎はシグルズの足を貫く。これは僕の力じゃない、だけど、これが僕の役目だったんです。
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無力なオズに綴られた物語の結末。解放されたオズの力。世界の終わりに最後まであがく命、それが僕です。次々とオズにより制される北欧神たち。そして、僕はその綴られし運命に従った。だが、それがなにを意味しているのかわかっているのか。
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それはスルトからの問い。僕の運命の最後の頁を彼が閉じるまで、僕はあがき続けます。そして、その運命が絶たれることを信じて。そう、だからオズは前だけを向いていた。そして、その力は北欧神の力を凌駕したのだった。これが、僕らの魔法です。