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そんな、まさか。先に倒れたのはドロシーだった。所詮は人間だってことよ。だが、ハムの息も上がりきっていた。よくも無駄に足掻いたわね、無駄だって言ったのに。ハムが口にしていた「無駄」の意味。例え血を手に入れても、誰が綴れるのかしら。
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その役目は、ワタシに任せてもらえますかな。鳴り響く笛の音。現れたウサギのキグルミ。そんなキグルミの背後、ドロシーが会いたくて仕方のなかった者たちが。さぁさぁ、これで形勢逆転、ドラマチックなフィナーレをあなたへお届けしましょう!
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トトが生み出した無数の水竜。天へと誘うかのごとく、ハムを取り囲み舞い踊る。パレードはまだ、始まったばかり。アナタの為の特等席で、水と風と光と無のショーをご覧ください。そう、オズのことを想っていたのはドロシーだけではなかった。
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水竜をつきぬけ、風の刃が舞い踊る。急な竜巻にご用心。もちろん、その行動に言葉が乗ることはない。だが、その行動に乗せられていた想い。みんな、ありがとう。そんな彼らの姿に、ドロシーはただ胸が締め付けられる。そう、私だけじゃないんだ。
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空を翔る獅子。それは空想上の生き物。だが、レオンはただ神々しく羽ばたいてみせた。突き抜けた天井。光届かぬ祠へ差し込む光。そして、降り注いだ光の羽が突き刺した体。それじゃあ、最後に仕上げといこう。不器用な君たちに相応しい仕上げさ!