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久しぶりだね、先輩。マルクが詰め寄ったのは、そんなマルクに反応を示さず、ただモニターに文字列を打ち続けるシュレディンガーだった。ねぇ、僕のこと無視しないでよ。すでに、シュレディンガーの戦意は喪失されていた。先輩はお人形さんだね。
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なら僕がお友達を用意してあげる。マルクの筆先が生み出す無数の化け物。お人形遊びをしよう。だが、それですら興味を示さないシュレディンガー。もう、怒っちゃうよ。だが、シュレディンガーの顔を覗きこむと同時に、マルクの表情は曇り出す。
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まさか、君が打ち込んでいたコードは。だが、マルクが気づいたときにはすでに遅かった。直後、昂揚したシュレディンガーが力いっぱいに叩いたエンターキー。モニターに映し出されていたコードは、散ったはずの初恋へと。サミダレ:グスク、起動。
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私たちの邪魔をしないでくれ。ついに言葉を発したシュレディンガー。そして、マルクの目の前に立ち塞がったサミダレ:グスク。私は初恋に恋焦がれ、初恋を求めた。そうさ、初恋は永遠の思い出。辿られたのは蒼のクリスマスの日の記憶だけだった。
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あの日のアリトンとの交戦、シュレディンガーが追い求めて、一度は散った初恋。そして、再び見つけた思い出の中の初恋。この機体があなたに負けるはずがない。マルクを襲うサミダレ:グスクの刃。そんな……、僕がこんなところで……嘘だァ……!