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緊急事態発生、緊急事態発生。幸せの白兎研究所に鳴り響いた避難警告。現れた六人の画神たち。ここを潰せば、ディバインゲートの干渉は完全になる。そう、いまもなお被害を最小限に食い止めていたのはレプリカが稼動し続けていたからだった。
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俺が滅すべき相手は、すでにこの世にはいないみたいだな。だが、そんなレオナルドの正面に自律兵器が立ち塞がっていた。私ニハ、彼ノ血ガ流レテイマス。かつて、炎才が提出した偽りのレポート。そして生まれたカゲロウ。ダカラ、私ガ戦イマス。
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ガラクタ風情が、神の力を持つ俺たちに楯突くなどありえない。レオナルドが振るう筆。体の自由を奪われたカゲロウ。口ほどにもない。一歩たりとも動くことが出来ないのは、動くという未来が塗り変えられたから。それじゃあ、腕から潰してこうか。
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ガシャン―。地に落ちたカゲロウの左翼の腕。まるで血飛沫のように流れだす燃料。だが、それでもカゲロウは膝をつこうとしなかった。残念デスネ、私ニ痛覚ハ実装サレテイマセン。だったら、粉々になるまで潰すだけだ。レオナルドは歩み寄る。
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コノ時ヲ待ッテタ。ふいに動き出したカゲロウはレオナルドを羽交い締めに。なぜ動ける。アナタガ塗リ変エタノハ、私ノ望ンダ未来。ダカラ私ハ望マナカッタ未来ヲ選択スル。アリガト、アカネ、オ父サン。小さな爆発、それがカゲロウの最期だった。