-
常界に蔓延る麻薬の取引現場に乗り込み、犯人を追い詰めたのは警備局員のロア。そして、怒りに任せて突き出した槍。だが、ロアの槍を伝い流れた血は犯人の血ではなく、犯人に盾にされた友であり同僚の血だった。それは事故だった。命は散った。
-
提出された退職届けが受理されるのを待たずロアは警備局から姿を消した。ただ自らの手で友の命を奪ってしまったという後悔だけを胸に、死んだように生きていた。そんなロアに退職の話を正式にしたいと、世界評議会から呼び出しがあったのだった。
-
そんなロアを待っていたのは警備局長ではなくアーサーだった。不機嫌なロアと、上機嫌なアーサー。これを修理しておいた。アーサーが渡したのは、友の形見である鎌型ドライバ。このドライバの新しい名はロディーヌ。これは過去じゃない、未来だ。
-
想い出が汚された。ロアはそう思い、アーサーへの怒りをあらわにした。あぁ、その顔が見たかった。そして、戦いの果ての勝者はアーサー。友を想うのであれば、もう一度立ち上がれ。そして、アーサーはロアにユーウェインのコードネームを与えた。
-
最後の晩餐、ユーウェインはいつも通り機関に馴染むきっかけとなった新しい悪友であり同僚である男の隣に腰をかけていた。そして、もう一度立ち上がるきっかけをくれたアーサーと飲み交わす酒を楽しんでいた。あぁ、俺はもう眠ったりしねぇよ。