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辿り着いた青帝楼閣セイリュウ、最初にお出迎えをしてくれたのは水を司る大精霊。そんな始まりの水の起源<オリジン>が優しく語りかけるのは黄昏の審判の始まりの始まり。母なる海の様な優しさは、時として厳しさへと変わった。
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降り出した雨、楼閣の縁側でしばしの雨宿り。そんな雨の中、嬉しそうに歌って踊るのは水の妖精。出来たばかりの水溜まりで飛び跳ね廻る。降り続き、勢いを増した雨は、ただの水遊びだった妖精の悪戯を、悪意のない悪意へと変えた。
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降り止むことのない強い雨、雨漏りすら出来てしまった青帝楼閣。滴る雫を浴びながら、その水弾く毛並みは氷の狼。むしろ浴びれないことに残念な表情を浮かべた狼達は、そのうっぷんを晴らすよう、晴れない空へと遠吠えを上げる。
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しばらく楼閣を進んだ先で、お出迎えをしてくれたのは水の妖精、清らかな乙女。疲れた者を癒す為に尽くすことこそが、乙女の嗜み。そして、それはこの統合世界<ユナイティリア>に生きる全ての男性の、憧れの的となっていた。
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響き渡る鐘の音は、降りしきる雨音でさえも消すことは出来なかった。聞きたくなかった非常警報。止まない雨の中、リミッターの解除された第五世代自立型ドライバの潜水力の暴走。雨の中を泳ぐ機竜に、青帝楼閣は押し流されかけていた。