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絶対零度の独房を備えた極寒の第二監獄コバルト。震えるほどの寒さの中で凍ることなく形を保ったままの水の悪魔は、常界<テラスティア>で見つけた居場所で本来の元気を取り戻した。監獄を泳ぐ優雅な姿はそこが水族館だと思わせるほどだった。
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寒さに屈することなく起きる暴動を鎮火する為に配備されたのは、進化した水の第三世代自立型ドライバ。だけど、鎮火という大義名分の下に行われていたのは過剰な水の暴力。その行為は罪と何一つ変わりはなく、監獄の倫理は疑わしいものだった。
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過剰な暴力の果てに姿を見せたのは水のドラゴン。監獄の青竜が吐き出す水は瞬時に凍り、冷たい刃となり囚人達を傷つけた。何故監獄にドラゴンが、そんな疑問を抱く暇もなく、氷の刃が襲いかかる。極寒の監獄に、心落ち着ける場所はなかった。
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監獄を視察しに訪れた主人とはぐれてしまったのは1人の水の妖精。清らかな青い髪に、黒いメイド服は囚人達の注目の的となり、恥ずかしさのあまり、歩くことすらままならなかった。動揺したその心が引き起こした勘違いは、敵となり襲いかかる。
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監獄の最下層、絶対零度の独房に閉じ込められていたのは水の成竜。解き放たれたドラゴンが思う存分振るった水の力は監獄全域に荒れ狂う波を呼び寄せた。その荒波を越えることが出来た時、極寒の先に待っている暖かな出口が見つかる。